こんにちは。
ねこのてぶろぐです。
「タコの道具」という食材を手に入れました。
道具ですが、食材です。食べ物。
たこの道具。
青森県でも下北半島の方で主に食べられているんですが(そう言われれば、津軽地域では売っているのさえ見たことがない)今日はたこの道具を調理&実食しましたのでレビューしたいと思います。
たこの道具についての基礎知識
たこの道具は、たこの内蔵です。
素朴な疑問として、なんで「道具」っていうのか? といいますと、たこの大事な部分(道具)みたいな意味合いだそうです。
良い蛸がたくさん捕れる下北の漁師飯だったそうで、タコの足や頭の残りを食べていたのが一般的に家庭にも広がった、という感じみたいです。
そもそも一般ピーポーは、たこの内臓自体を見たことがないし、たこの内臓が食べれるなんて知らないですよね。
ところで、一番最初にナマコやホヤを食べることに挑戦した人ってすごいな、と思いませんか?
しかし、たこの道具はある意味それ以上の尊敬の念を抱くほどの超ビジュアル系なんです。
先人たちはいったいどのような図太い神経をもってこれを「食べれるかも」と判断したのか小一時間ほど問い詰めたいレベルです。
それでは、気になるたこの道具の詳細をご紹介してまいりましょう。
たこの道具のビジュアル発表
たこの道具、実物をお見せする前に、ちょっとだけ想像していただきたい。
まず、何色だと思いますか?
内臓だから・・・赤?それとも、黄色系?
皆さんもぜひ考えてみてください。
チッ
チッ
チッ
チーン!
これが・・・
たこの道具です。
まさかの白ッ!
全体的に、ほぼ真っ白です。
真っ白な、見たことない形の異様なフォルム・・・
できるだけビジュアルが際立たないように撮ってみましたが隠しきれないエイリアン感が漂いまくっております。
さらに、よくよく観察してみると、なんだかふわふわしたものと、くるくるしたものが混じってる。
そもそも食品において「観察」をすることもないのですが、これは間違いなく観察から入る部類の食べ物であろうと思います。
臭いは・・・無臭に近いくらいにあまりしません。
※ちなみに今回のたこの道具はボイル済みのもの。
それにしても、同じ内臓でも豚や牛のものはボイルしてもなかなか臭いが取れませんが、タコはほぼ、無臭。
それでは、各部位(といっても、それぞれがどの部位なのか全く不明)を観察しながら詳しく見ていきましょう!
まず目を引いたのはこちらのびろーんとした透明な部分。
ストロー?
何かわからない部分から、何かわからないストローみたいなのがびろーんって出てます。触ると結構しっかりとした弾力があるので、どうやらストローでないことは確かですが、最初からぶちかましてくれるさすがのビジュアルです。一昔前にビジュアル系バンドSHAZNAを見たときの衝撃と同じくらいです。
このストローをひっぱると、何かわからない部分からついて伸びてきます。何かわからない部分にストローが収納されているっぽいです。
次にどうしても目をやらざるを得なかった物体がこれ。
王蟲。
これは王蟲ですよね?まさかタコの頭の中に、ナウシカの世界があるとは知りませんでした。
王蟲のサイズ感はこんな感じです。
まだ赤ちゃんのようです。
いじめると仲間の王蟲が赤い目してやってくる危険性があります。
それにしても、どんな役割を果たす部位なのでしょうか。同じ海の生き物でもやはり魚類とは全く別物ですね。
ちなみにタコの分類は
頭足類-蛸型亜綱-八腕形状目-たこ目
ということだそうです。豆知識でした。
次に行きます。
懐かしい!これは懐かしい!
昭和の時代を思い出しませんか?
え?意味がわからない?
そんなことは無いと思いますよ!昭和生まれのあなたならばきっと思い出すはず。平成生まれのあなたも、きっと見たことはあるかもしれません。令和時代の方は知らないと思います(´_ゝ`)
もっとアップにしてみましょう!
おおお!懐かしい螺旋です!
この螺旋形状を指に巻いてくるくるしてたら戻らなくなっちゃって大変だった思い出がよみがえりますよね!
そう。
これは、これですね!
昔の電話のくるくるの部分!
なんということでしょう、古き良き昭和の思い出がタコの頭の中に潜んでおりました!
ストローに王蟲にくるくる!
タコの頭の中恐るべし!!
驚くほどにユニークな形をした、さまざまな部位が詰まっている場所だったのですね。
あとは、謎のふわふわ部位が気になるところです。
肝かなぁ?部位としてはかなり大きめで、ふわふわしてます。
さぁ、一通り観察してみたので、次は調理に移りたいと思います。とはいえ、たこの道具なんて、見たのも初めてであれば、調理をしたこともありません。
今回このたこの道具を手配していただいたのが下北の方なので、私はその人にざっくり調理方法を聞いて、挑戦してみました。(さすが、下北ではスーパーで一般的に入手ができるそうです。)
たこの道具 調理してみた
一番簡単で失敗しなさそうな、「たこの道具汁」の作り方を教えてもらいました。
どうやって作るのかというと、味噌汁と同じです。具材がたこの道具というだけ。
この超ビジュアル系に、そんな単純な調理法で挑んでも大丈夫なのだろうかという不安がよぎります。むしろ不安しかありませんが、ほかの調理法がわからないのでしょうがありません。
たこの道具汁の作り方
1.出汁と味噌をお湯に溶かして味噌汁を作る
2.道具たちを投入
3.煮る(お好みで豆腐を入れてもいいみたい。今回はシンプルに道具だけ。)
4.ねぎ入れて煮込む。
5.完成!
意外とおいしそうですが、やはり抑えきれないビジュアルが爆発していますね!!
特にふにゃふにゃしていたストローにはパンッと張りが出てなんだか元気いっぱいになっています。食べても大丈夫なのでしょうか!?
たこの道具 実食レポート
まずは、恐る恐る汁だけを飲んでみました。
汁旨ぇ!!!
驚きです。
タコ臭さみたいなものは全くなくて、でも、なんらかの出汁は出てるぞ、みたいな味わい。味噌の味と、タコの道具から出てるっぽい出汁が非常に美味しくマッチしております。ちょっとビックリ!そして、少し安心しました(笑)
では、意を決して、たこのお道具もいただきます。
最初に挑戦するべきはやはり、当初から気になっていたストロー。
ストローを食べずして、食レポなどできましょうか、いやできない。いざ実食。
まず、味はほぼ無味。匂いも無ければ味も無いですね。ただ、食感は太めの糸こんにゃくみたいな感じでツルツルしてます。「これ、タコなんだよ!」って言われなければ糸こんにゃくだと偽ってもばれないでしょう。味が無いので、「汁の美味しさ+食感」という感じ。汁色に染まります。汁色に染まる無垢なヤツです。そして、それが普通に美味しいことにちょっと驚く。
次は懐かしのくるくるを食べてみました。
なるほど、そう来たか。
くるくるも、基本的には味が無い(と思うくらいにクセがない)です。なんなんだたこの道具。味が無いぞ?食感を楽しむ感じなんですしょうかこの部位は。
うどんのように長いのでズズズズッとのど越しでも楽しめばよいのでしょうか?
しかしこのくるくるは、体のどういう役割をする器官なんだろう。
そして、気になる王蟲の番です。
虫っぽくて、しかも、そこそこデカいので、噛む作業が必要。食べ始めるまでに「ひぃぃぃ!」とビクついてしまい少々手こずりましたが、食べてみた結果、味と食感的には一番気に入りました。
というのも、ここの部位はなんとなく味わいがあります。王蟲の背中部分はやや柔らかくてちょっと固めの白子風、お腹部分は噛み応えがあって、なるほど、タコっぽい感じなんです。
一匹で二度美味しいみたいな食べごたえがいい感じ。さらに王蟲の背中部分にある脳みそみたいな溝に、味噌汁がしっかり染みるのもポイントが高いですね。
王蟲だけ4匹くらい食べたい。
いろいろ調べてみると、この王蟲部分をお刺身のようにして食べさせるお店もあるみたいなので、たこの道具界では一番メジャーな部位なのかもしれません。
最後に、肝かなぁ?と思ったふわふわの部分。
衝撃の食感。海産物にあるまじき食感。
食感だけで表現するならば「マシュマロ」でした。なんだこれ!「しっかりしたマシュマロ」といった感じで、味はほぼ無い。無味のしっかりしたマシュマロ・・・というと全然美味しい感じはしないと思いますが、これが味噌汁に入っていることで、不思議と食べれてしまう・・・なんだこれ!
といった感じで、とにかく、口に入れるものすべてが初めてで、面白い経験。
食べてみると意外と・・・というか・・・くやしいけど、美味しい。
見た目はほんとにエイリアン。なのに、たこの道具自体にはそんなに味がないので何色にも染まれる無垢さがありますよ。唐揚げにしても美味しいらしいです。冬場は鍋の具材にしても良いですね。いろいろな部位が楽しめるうえにリーズナブル!
内臓のミックスなので食べる部位によって食感が全然違うのと、「うえぇぇぇ!これ何だ!!!???」といちいち騒ぎながらワイワイ食べれる面白みもあったりします。(闇鍋的な?)
日本人がひそかに食べていた海の幸で、諸外国がその美味しさに気づいてしまって今や価格が高騰・・・という食品が多い(いわしとか、サバとか)のですが、実はタコもそんな食材の一つ。
タコの価格が高騰して、タコ焼き屋さんが大変だ、なんていうことがニュースになったりもする時代です。他の海産品同様、タコもどんどん高級品になっていってしまうかもしれません。
しかし!
タコの道具の美味しさには日本人でもまだ一部しか気づいていないのです!
今後、たこの道具の美味しさに諸外国が気づき始めたときには、タコの身同様、内臓すらも価格が高騰し、もはや入手することさえも困難になる可能性だって無きにしも非ずなのであります。
ですから皆さん。
日本人でもまだ一部しか気づいていないタコの道具に、今こそチャレンジしてみてはいかがでしょうか!!