こんにちは。
ねこのてぶろぐです。
ある日、SNSで発見した一枚の写真が最近やたらピントが合わない老眼気味の私の目に留まった。
それは、Twitterで、とびら(@tobirabito)さんが投稿したものだった。
自虐ネタやめいwww #津軽SA pic.twitter.com/vKqg6rlpTC
— とびら@C96 8/12西う40b (@tobirabito) July 25, 2019
その写真は、青森県平川市に位置する本州最北端のサービスエリアである「津軽サービスエリア」の自虐的すぎる横断幕の写真だった。
4枚ほどUPされた横断幕の写真。
それぞれには、こんなフレーズが書かれていた。
『今日も空いてる津軽SA』
『混雑知らずの津軽SA』
『津軽SA独り占め』
『貸し切り休憩気分津軽SA』
とびら(@tobirabito)さんが「自虐ネタやめいwww」と言いたくなる気持ちもわかる。
さらに、こんな記事にもなっていた。
なんということであろうか。
青森県唯一のサービスエリアであり、本州最北端のサービスエリアである「津軽サービスエリア」がこのような自虐をしなければならないほどに廃れているのか?
もう時効だから言うが、当時付き合っていた彼の家がこのサービスエリアの近くにあり、深夜、山の裏手側からフェンスを越えてサービスエリアに入り、缶コーヒーを飲んでまた山へ帰っていくというニホンザルのような行動をしていたのがもうかれこれ20年以上も前の話になる。甘酸っぱい思い出を披露してみた。いやそんなことはどうでもよいのだった。問題はその思い出の地であり、本州最北端という特別な地のサービスエリアががら空きだという悲惨な内容の横断幕を掲げて集客を図っているという事実なのだ。
本州最北端
なんという独特な響き。あなたは本州最北端という言葉から何を連想するであろうか。
津軽海峡冬景色、最果ての地、切り立った崖、土曜サスペンス劇場の自供シーン撮影場所・・・
まぁそんなところだろうか。色で例えるなら全体的にグレー。「本州最北端」という言葉からはなぜかちょっと寂しいような印象を受けるかもしれない。
「本州最北端のサービスエリア」
いったいどんな秘境に位置し、どれほどに殺風景なグレー色の場所で運営しているのだろう。夏でも雪に閉ざされているのであろうか?あまりに殺風景すぎて人が来ないのだろうか?20数年前、深夜に行ったっきりの津軽サービスエリア・・・これは自分の目で見て確かめなければ、という使命感に燃える私がいた。
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津軽サービスエリアに行ってみようと思った
私は青森県在住。私の自宅と津軽サービスエリアの位置関係はこう。
北に進む場合高速に乗る必要はないし、南に進む場合津軽サービスエリアは休憩するには早すぎる。もしくは、津軽サービスエリアより南の入り口から高速道路に乗る、というのが定石。つまり、私が高速道路に乗る際に「津軽サービスエリア」に行く必要性もない他ばかりか、「通らない」というのが現状なのだ。
もし私が津軽サービスエリアに行きたいと考えた場合、それは通過点としてある津軽サービスエリアへ行くということではなく、目的地を津軽サービスエリアとして考える必要があるのだ。サービスエリアに遊びに行く、というのも首都圏の超巨大サービスエリアならばあり得るだろうが、なにせ「人が来ない」ということを自虐する横断幕を掲げるようなサービスエリアだ。果たしてそこまでして行く価値があるのだろうか?とも思ったがここは青森県民として一度は越えなければならぬ壁だろうと判断し、高速へ。
驚くほどあっという間に到着
当たり前である。大鰐弘前インターから高速に乗ったらすぐに到着。あっという間に到着だ。6分で着くぞ。高速に乗って6分走ったらすぐに休憩だ。
ところで、この日は平日の昼であったが噂にたがわぬ空き具合である。
しかし。しかしだ。
ここに到着して最初に私が感じたのは、閑散としたグレー色の雰囲気ではなく「明るさ」と「清潔感」なのであった。
確かに人は少ないが、この鉢花たちが明るいムードを作り出してくれているのでなんらさみしさは感じない。私の中の津軽サービスエリアの第一印象は合格だ。
さて、高速に乗って6分かけてせっかく来たのだ。建物の中の様子も見てみようではないか。
本州最北端にこんなエリアが・・・!
中に入ってみたらさらに驚いた。
なんというか・・・
オシャレなのだ。本州最北端、最果てのサービスエリアのくせに、シャレオツなのだ。
青森のオシャレスポットには必ずと言っていいほどあるBUNACOのペンダントライトがあるということはココも間違いなくオシャレスポットなのであろう。
※BUNACOとはブナの薄い板を加工して作るインテリアや皿を作っている青森の会社
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どうした本州最北端。最果てのサービスエリアにも関わらず、とにかく「え?最近リニューアルかなにかしたのですか?」というくらいにキレイでおしゃれなのだ。
調べてみたら平成31年4月17日にリニューアルに伴うグランドオープンセレモニーなるものが開催されていたらしい。まったく知らなかった。
やたらにキレイでやたらにオシャレな理由もなるほどそれならば合点行く。
そして、オシャレなだけではないのだ。地域性を存分に発揮したおもてなしの心がビシビシと感じられる建物内の工夫が盛りだくさんなのも温かい。
ここに来た人は「歓迎されている」ということをものすごく感じることができるであろう。そういう気持ちよさがあるのだ。
そして、ここには飲食コーナーもある。サービスエリアの花形だ。メニューもなかなか独創的。
ちょうど昼時だし何か食べて帰ろう。ということで、基本の「津軽そば(450円)」となんだか聞いたことがない「鶏天丼(750円)」なるものを注文。「豚天丼(750円)」というのもあって、メニューの写真の大きさがほかのものに比べて大きいこともあり、津軽サービスエリアでは「鶏&豚天丼」が推しメンなのだなと理解した。
食券を購入し、おばちゃんに渡すと鶏天丼は7~8分かかりますというアナウンス。そのくらい余裕で待てる気にするな。と笑顔で返しテーブルへ。
平日の昼間、待つことなく食券を買い、困ることなく座る場所を確保できた。
セルフサービスで水を取りに行ってさぁ飲むかくらいのタイミングで津軽そばが出来あがる。早い。
見ただけでわかる、これ美味しいやつやん。ちゃんとしたやつやん。
彼女がそばを食べ終わる頃、鶏天丼が完成。
見てくれ、これが鶏天丼だ。
卵の下にある天ぷらがすべて鶏肉の天ぷらなのであった。鶏肉を天ぷらにして食べる習慣のない私としては初体験の味。
鶏の天ぷら旨ッ!!!!!!!!
たぶん衣になにか秘密があるだろう。衣がしっかりとカラッと揚がっていて最後までカリカリのまま楽しむことができた。中の鶏肉はジューシーで、鶏天の一つ一つがデカい。たれも美味。
特筆すべきもう一つのポイントは卵の天ぷら!しっかりと味の染み込んだ味付き卵を天ぷらにしてあるのだ何だこれ初めて食べたけど結構衝撃的な旨さ。なんだよ本州最北端。最果てのサービスエリアよ。やたら食のレベルが高いではないか!お世辞ではない。その辺のファミレスの味ははるかに超えた旨さ、この味を750円で楽しめるならば、この天丼を食べるためだけにココに来てもなんら問題のないレベルで旨い。鶏天丼とならんでメニューに載っていた豚天丼もそのうち食べに来なければ、と思わせるほどの味がこんなところにあったとは。と書いている今でも食べに行きたくなってしまうくらい記憶に残った味であった。
まとめ
本州最北端、自虐すぎる津軽サービスエリアには極上のおもてなし精神とグルメがあふれていた。東北のサービスエリアの中でも味とサービスレベルは上位に位置すると、わたしは思う。(東北以外のサービスエリアには行ったことがないから他はわからぬ。)
とにかく鶏&豚天丼、これは食べに行ってくれ。おすすめだ。
もしあなたが千葉県に住んでいるとしたら、こうやって行けばいい。
千葉県柏ICから常盤自動車道と東北自動車道をただただ北上するだけだ。約730kmほど車を走らせると到着だ。9時間弱で行くことができるぞ。
もしあなたが熊本に住んでいるとしたら、こうやって行けばいい。
飛行機で青森空港まで来てくれ。そこでレンタカーを借りて高速に乗ればいい。青森空港から40分で到着だ。熊本から車で来る場合20時間くらいかかるようだから飛行機のほうがいいだろう。
どうだ。私はここに高速に乗ってたったの6分で行けるのだ。うらやましくなってきただろう?
今度は豚天丼と、デザートにはこれを食べに行ってみようと思う。
おデブまっしぐらだ。
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