こんにちは。
ねこのてぶろぐです。
この記事は私の本業、ネット通販への新規出店についての内容になります。
- これからの時代はネットショップの運営でしょ!
- もう、実店舗だけでは立ち行かないから、ネットショップもやろう!
- ネットショップって、実店舗に比べて経費がかからなそうだからやってみよう!
- ネットショップで販路を全国に伸ばしたい!
動機はいろいろだと思います。
で、ネットショップの開業を考えたときに候補に挙がってくる代表格が楽天・ヤフー・Amazonあたりではないでしょうか?
今回は、今実際に私が運営をお手伝いしているモールである「楽天市場」と「ヤフーショッピング」に関して、具体的にどのくらいの経費がかかるのかを考えてみたいと思います。
ざっくりした感じで考えて出店する方が多いのですが、大事なところですし、出店してみたら意外と手元に残るお金がないぞ!?ということに陥りやすいので、出店前に予想を立てたうえで、商品の販売価格などを考えていただく参考になれば。
- こんな条件で比べてみます
- 100万円売った場合にヤフーショッピングでかかる費用
- 100万円売った場合に楽天市場でかかる費用
- 楽天市場の強み
- 100万円売った場合にヤフーショッピングで残るお金
- 100万円売った場合に楽天市場で残るお金
こんな条件で比べてみます
- 月商100万円
- 広告利用・自社でのポイント付与なし
- 決済方法は全件クレジットカード払いとする
- 注文デバイスはすべてスマートフォンとする ※楽天市場は注文デバイスによってシステム利用料が異なるため。
- アフィリエイト経由の注文はなしとする
という統一の条件で考えてみたいと思います。
実際には決済方法に代引きや電子マネーなどが入ってきたり、アフィリエイト経由の注文が入ってくるので変わってくるのですが、ここではわかりやすく同じ条件で比較するために上記の内容で計算してみます。
100万円売った場合にヤフーショッピングでかかる費用
- ポイント原資負担(2.5%~):25,000円
- 決済手数料(決済金額の3.24%):32,400円
費用:57,400円/月
100万円売った場合に楽天市場でかかる費用
を出そうと思って改めて楽天市場の出店プランを見直してみたら、まぁ複雑怪奇でビックリしちゃったんですが、今回は何通りもあるプランの組み合わせの中から
・がんばれプランにファッションジャンルで出店した場合
でシュミレーションしてみました。
- 出店料(月額):19,500円(税別)
- システム利用料(がんばれプランの場合、売上100万円・モバイル経由の注文の場合手数料6.5%):65,000円
- ポイント原資負担(1%~):10,000円
- モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料(0.1%):1,000円(税別)
- R-Messe(税別)月額固定費:3,000円(税別)~ ※会話数に応じての従量課金
- 決済手数料(~100万円までは3.5%):35,000円
費用:133,500円/月(税別)
同じ条件で100万円分販売したとすると、楽天市場ではヤフーショッピングの約2倍の経費が発生します。
じゃぁ楽天よりもヤフーがいいでしょ!
というと、そう単純な話でもないわけです。
楽天市場の強み
- 集客力
楽天とヤフーショッピングを比べた時、モール自体の集客力は楽天が勝っているため、集客力は楽天に軍配が上がります。例えばある商品がテレビで放映された場合などには、集客力の違いが露骨に現れます(もちろん楽天の勝ち)。
- ポイント
楽天は「楽天スーパーポイント」、ヤフーは「Tポイント」です。どちらもシェアの獲得にしのぎを削っている感がありますが、現状楽天市場のポイント付与の仕方はユーザーにとってかなりお得なので、今のところは楽天スーパーポイントの勝ちでしょう。
2019/12/09追記
ここのところヤフーの動きが活発になってきて、LINEとの統合の話もすすんでいます。そしてヤフーが始めた決済サービス「PayPay」の普及が急速に進んでいることや、ヤフーショッピングでのポイント還元がTポイントからPayPay残高への還元(PayPayボーナスライト:キャンペーンなどで付与される、有効期限の短いPayPay残高のこと)になってきていることから、2020年からのヤフーの追い上げがすごいことになりそう、と個人的には思っています。
では、ここからがもっと大事。
商品の原価率が60%だった場合、100万円売ったらいくら利益が残るのか?
※原価には商品・送料・梱包資材等も含むとする
100万円売った場合にヤフーショッピングで残るお金
(売上1,000,000円)ー(商品原価600,000円)=400,000円
400,000円ー出店にかかわる経費 57,400円=342,600円
100万円の売り上げに対して、粗利が342,600円。
ここから人件費などを捻出することになります。
100万円売った場合に楽天市場で残るお金
(売上1,000,000円)ー(商品原価600,000円)=400,000円
400,000円ー出店にかかわる経費 135,380円=264,620円
こんな感じになります。
どちらも、100万円が売れた場合の計算です。
ただ、商品を販売しているだけではなかなか月商100万円には到達しないので、ポイントを自社で付与したり、集客のためにモール内に広告を掲出するなどのPRをする必要が出てきます。
そうすると、ここからさらに経費として引かれるため、手元に残るお金がビックリするくらい少なくなることがよーーーーくあります。ネットショップあるあるです。
そして、集客はすでに出店しているお店・売れているお店ほど力を入れてやっているので、新参者が食い込むにはなかなか高いハードルだと思います。
さらに、楽天市場においては、大手スーパーや楽天市場自体が参入している(どういうつもりでしょうね。)ため、型番商品や定番商品で売り上げにつなげることはさらに困難になってきていると言えます。
また、楽天市場も以前はプレゼント企画を開催することやオークションなど、集客の手段がいろいろあったのですが無くなってしまいました。今となってはメールマガジンの配信も週2回目からは有料となるため、自社で集客をするためには広告(金)を使うしかないような状態を作り上げられている(!?)ような気さえします。
新規出店店舗がお金をかけないで売り上げを上げていくことが非常に難しい売り場、でもお客さん自体はたくさんいるから売れたらデカい、それが楽天市場。(あくまで私の所感ですよ)
一方ヤフーショッピングは、集客力は楽天には負けるものの新規参入に優しい料金体系と広告体系なので、もし私が今何かしらの商品を引っ提げて新規で出店を考えるなら、まずはヤフーを選びます。
たくさん売れても、利益が残らないと商売としてはつまらないことになっていまいますので「セールだ、ポイント還元だ」とサービスすることも大事ですが、常にキャッシュの事は考えながら工夫しないと、
あれ?100万円売ったのに、利益が0だよ!?
ということが起こりかねませんよ~。(←そんなことあり得ないでしょ(笑) と思うかもしれませんが、これ、結構なネットショップあるあるですよ)
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